こんにちは。名古屋ハピネス鍼灸接骨院 太閤通(中村区)です。
今回は、四十肩(肩関節周囲炎)で来院された患者様の症例をご紹介いたします。
■ 来院時の状態
患者様は40代後半の女性。主訴は「右肩の痛みと腕が上がらない」というものでした。
3ヶ月ほど前から徐々に肩に違和感を感じ始め、次第に腕を上げる動作が困難になったとのことです。特に、洗濯物を干す、高い棚の物を取る、髪を結ぶなどの日常動作で強い痛みが出現していました。
また、夜間にズキズキとした疼痛があり、寝返りのたびに目が覚める状態が続いていました。整形外科では「四十肩ですね」と診断され、湿布と痛み止めで様子を見るよう説明を受けましたが、なかなか改善がみられず当院へ来院されました。
■ 初回評価
初回のカウンセリングでは、発症時期・痛みの性質・生活習慣などを詳しく伺いました。
可動域検査では、肩関節の外転は約90度付近で疼痛が増強し、それ以上の挙上が困難でした。結帯動作(背中に手を回す動き)や結髪動作も強い制限がみられました。
触診では三角筋周囲、棘上筋部、肩甲骨内側縁に強い緊張と圧痛を確認。姿勢評価では猫背傾向が強く、肩が前方へ巻き込まれる「巻き肩」の状態でした。胸椎の可動性低下も認められました。
四十肩は単なる肩の炎症だけでなく、長年の姿勢不良や肩甲骨の可動性低下が背景にあることが多いと考えられます。
■ 病態の考察
四十肩(肩関節周囲炎)は、肩関節周囲の軟部組織に炎症が生じ、疼痛と可動域制限を引き起こす疾患です。
発症初期は炎症が強く、安静時や夜間にも痛みが出やすい「炎症期」。その後、関節包や周囲組織が硬くなる「拘縮期」へ移行し、動きの制限が顕著になります。
今回の症例では、炎症期から拘縮期へ移行しつつある段階と判断しました。そのため、強い刺激は避けながらも、可動域の維持・改善を図る必要がありました。
■ 施術内容
施術ではまず、肩関節周囲の過緊張を緩和するための手技療法を行いました。特に棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、三角筋へのアプローチを丁寧に行いました。
同時に、肩甲骨の可動性を高める調整を実施。肩甲骨が正しく動く環境を整えることで、肩関節への負担軽減を図りました。
さらに、胸椎の可動域改善および骨盤バランスの調整を行い、全身から姿勢を整えました。
炎症が残存しているため、無理な可動域訓練は避け、自宅では痛みの出ない範囲での振り子運動や肩甲骨体操を指導しました。
■ 経過
初回施術後、「少し軽くなった感じがする」との感想がありました。
3回目の施術時には夜間痛が軽減し、睡眠が取りやすくなったとのこと。外転可動域も徐々に改善がみられました。
約2ヶ月間、週1〜2回の施術を継続した結果、日常生活動作での支障は大きく軽減。洗濯物を干す動作も痛みなく行えるようになりました。
現在は再発予防および拘縮予防のため、肩甲骨の可動域維持と姿勢改善を目的としたメンテナンス施術を継続されています。
■ まとめ
四十肩は「そのうち治る」と言われることもありますが、適切なケアを行わないと拘縮が進行し、回復までに長期間を要する場合があります。
炎症の段階を見極め、無理のない施術と段階的な運動療法を行うことが重要です。
肩の痛みや可動域制限でお悩みの方は、我慢せず早めにご相談ください。早期対応が回復への近道になります。